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妄想を文書化してしまう末期症状ログです。
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4

 僕は笑っている。
 上司に媚びて笑う。
 ぺらぺらの笑いだ。
 心の伴わない笑いだ。
 これが社会の潤滑油。
 なんだろうか。
 何かが僕を急かす。
 この焦燥感は、なんなのだろうか。
 いくじなしの笑いだ、と。
 少年が指差す。
 つまらない子供の僕が指差す。
 子供の目には、今の自分の姿は情けない大人に見えるのだろう。
 権力に属さないヒロイックな大人。
 それは、アイドルという虚構のような物だ。
 考えちゃいけない。
 非現実を現実にしようだなんて。
 そんな大それたこと、考えちゃいけない。
 でも、君はそんな大人に本気でなろうと憧れていたんだ――。
 昔の僕は、本気でそんなことを――。

 その日は、ぼんやりと考えていた。
 時間が過ぎるのが早いようで、やけに緩慢だ。
「もう、こんな時間か・・・・・・」
 壁の時計はすでに午後八時を指す。
 周りを見渡してみる。
 いつの間にか、多くの社員がすでに退勤した後だった。
 パソコンのキーボードを打つカタカタという音がやけに鮮明に響いている。
 昼間人で溢れ返る社内を見ていると、どこか寂しい印象を受ける。
 でも、なぜかほっとする。
 寂しいのに、どうしてほっとするんだろう。
 僕はひとりぼっちの子供なんかじゃない。
 彼女がいる。
 社内の人間関係は良好だ。
 見本のような人生じゃないか。
 考えてみても、僕をほっとさせる理由は分からなかった。
 そろそろ帰ろうと考えたとき、ポケットの携帯電話が振動した。
 誰だろう。
 と言っても大体の想像はつく。
 メール未読一件の文字。
 差出人は彼女。
「仕事終わった? 今日はウチ来るの?」
 簡潔な文章は珍しい。
 彼女は絵文字や顔文字をよく使う。
 それだけでただの文章が飛んだり刎ねたり、泣いたり怒ったり。
 文章の表現方法も随分と広がったと思う。
 でも、僕は絵文字や顔文字を使わない。
 彼女からはよく怒られる。淡々としすぎだって。
 でも、僕はそれを直す気もない。
「今から帰る。今日は止めておく」
「りょーかい」
 終了。
 特に用事があるわけでもない。
 ただ彼女と会うと、もっと急かされるような気がした。

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HN:
o-isu
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/02/18
職業:
妄想業
趣味:
深夜徘徊
自己紹介:
2008年になりました。
今年も細々と脳内の妄想を発散してまいります。

ご意見など以下のアドレスにメール願います。
oishi3128@hotmail.co.jp

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